日本サッカーの理想像。規律あるチェイシング?パスサッカー?それとも・・

2018年ロシアワールドカップでの日本代表の戦いは「日本サッカーの未来」にどのような影響を与えたのでしょうか?

アギーレ監督の解任。

日本人の特性に合わない「縦へ早いサッカーの推進」

そして大会2ヶ月前での監督交代。

日本人監督の西野さんによる「日本人らしいサッカーでの躍進」

とてもバタバタした印象のある2018年までの4年間。

目標であるロシアワールドカップベスト16という結果を「終わりよければすべてよし」で済ませてはいけないことは、日本サッカーを想うサポーターはわかっているはずです。

西野監督が短期間で示した「日本人らしいサッカー」

その「日本人らしいサッカー」とはどんなものだったのか?

そして、これからの日本サッカーはロシアワールドカップを踏まえてどう成長していけばいいのか?

この記事ではそんな「日本サッカーの未来像」について解説していきたいと思います。

2018年ロシアワールドカップでの日本代表のシステムと戦い方

ワールドカップ中、基本的には4-2-3-1で戦っていたサッカー日本代表

長谷部誠というボランチとセンターバックをこなせる選手がいたため、3バックのオプションも持っていましたよね。

今後の日本サッカーで理想的なのは、相手のフォーメーションや戦術に合わせて4バックと3バックを使いこなす。さらに上を言うならば試合中に3バックから4バック、またはその逆というように、同じレベルで変化させることが出来れば言うことなしだと思います。

そして戦い方。

戦術としては、ディフェンス時の入り方として1トップとトップ下が並んでパスコースを限定させる→相手がサイドに散らしてきたらウイングがファーストプレッシングを行い、更に1トップもしくはトップ下もできるだけ追ってプレッシャーをかける。そしてサイドバックはウイングと距離が開かないように連動して少しポジションを上げる。
同じくセンターバックも下がりすぎずにラインを少し上げて全体をコンパクトに保つ。
ボランチはウイングのプレッシャーを相手が剥がしてもすぐに2次プレッシングができるような位置取りに移動。

もしも相手がビルドアップの際にMFに縦に入れてきた場合はファーストプレッシングをボランチが行い、サイドバックは相手がサイドに振ってきた時にすぐにプレッシングがかけられる位置に移動することで、もし相手MFからサイドに展開があった時にウイングとサイドバックでプレッシングを行いボールを奪取する。

もしも相手のビルドアップ時にFWへのロングフィードがあった時はセンターバックが恐れずにプレッシャーをかけ、ボランチはセンターバックと挟み込むように相手FWにプレッシャーをかける。

文字にするととても分かりずらいですが、大きな特徴としては「1トップとトップ下が相手のパスコースを限定させる」ことです。

このFWやトップ下が前線からのパスコースを限定させる守備を90分間継続して行える国は現時点で世界でも数ヶ国しかできないほど難しいものです。

パスコースを限定させる」と簡単に言っても2人であの広い横幅を動き回らなければならないので、それはそれはとんでもなく運動量のいるタスクとなります。
(本田選手ではなく香川選手をスタメンで使っていたのは、香川選手の「パスコースを限定させる守備の巧さと運動量」が必要だったからということです)

そして、ウイングやボランチ、サイドバック、センターバックのすべてのポジションでも守備時には連動した守備が必須となるので、「動けて運動量が豊富な選手」というのが絶対条件である戦術でもあります。

2018年ロシアワールドカップでの日本代表の戦いを観て、この「すべてのポジションが連動して動く守備」こそが「日本サッカーの基礎」となると確信したのです。

よく日本人のサッカーは「蟻や蜂」に例えられますが、まさに蟻や蜂のように協力して動き回り、試合を優位に進める能力こそが、今後サッカー先進国と張り合っていくために必要な「最低限度の基礎」といえそうです。

これは、2022年カタールワールドカップ、そしてその先のワールドカップでも継続していかなければならない「日本人の特性」であると思います。

日本人監督でも、外国人監督でも、監督によってフォーメーションや戦術は様々ですが、この「すべてのポジションが連動して動く守備」を基礎として貫いていけば、日本サッカーの方向性もブレずにいけるのではないかと思います。

連動した守備が基礎。そして攻撃の理想はポゼッションサッカーとショートカウンターの融合

これまでは守備について解説してきましたが、攻撃に目を向けると、ハリルホジッチ元監督の「縦に早いサッカー」から西野監督の「ある程度ボールポゼッションしながら戦う攻撃」に変化させた経緯があります。

賛否両論あるかと思いますが、個人的にはこの「ボールポゼッション」は大賛成です。

守備時の蟻や蜂のように動き回れる日本人の特性と同じように、「ボールを扱うテクニックが優れている」というのも日本人の変わらぬ特性のひとつと言えるのではないでしょうか。

ただし!

おそらくはスペインほどのテクニックはないにしても、世界でもトップクラスのボールテクニックを持つ日本人に絶対的に足りていないのが「激しいプレッシャーの中でのテクニック」なのです。

リフティングさせても、トラップもパスも(シュートは残念ながらイマイチですが)世界有数のレベルにある日本人が、「プレッシャーの激しい公式試合」では上手にボールを扱えないのは「Jリーグ」のプレッシャーの少なさ、その下のカテゴリーである「ユース」「ジュニアユース」世代における「激しいプレス」が日本全体に浸透していないから。

せっかくボール扱いが巧いという特性があっても「プレッシャーのある状態でのボール扱い」を経験しないもしくは経験が浅ければ、ワールドカップやチャンピオンズリーグなどの世界最高峰の試合では使えないのです。

名波浩、中村俊輔、遠藤保仁、小野伸二、香川真司、柴崎岳。

日本人にはどの世代にもテクニカルな選手が多い国です。

これからの世代にも久保建英選手や中井卓大選手などテクニカルな選手が多いでしょう。

「すべてのポジションが連動して動く守備」を基礎として、「激しいプレッシャーの中でも正確にボールを扱える」環境が日本全体に普及していけば、ワールドカップベスト8以上、メガクラブのレギュラー選手が複数現れるといった成功を手にすることが出来るのではないでしょうか。